一見普通の対立劇かと思いきや、背景に立つ白衣の女性たちの冷ややかな視線が怖い。まるで審判を下すかのような沈黙。ネットショートで見た中でも特に緊張感が持続するシーンで、次の展開が気になって仕方がない。
大人の修羅場の中で、赤いセーターを着た少女だけが唯一の清浄な存在。母親のコートに隠れながら大人たちを見上げる姿が切ない。この恋は処方箋じゃなかった!のタイトル通り、大人の事情が子供を巻き込む悲劇。
黒いスーツに金色のピンバッジ。彼の服装は完璧だが、表情は崩れそうになっている。握りしめた拳と、それでも離さない手。愛と執着の境界線が曖昧になる瞬間を、この短劇は見事に捉えていると思う。
閉鎖的な空間での対峙がたまらない。逃げ場のない状況でぶつかる感情。彼女が子供の手を離さない強さと、彼がそれを許さない強情さ。この恋は処方箋じゃなかった!という絶望感が画面から溢れ出している。
後ろで腕を組んで見ている女性たちの表情が現実的すぎる。当事者ではないからこそ見える真実があるのかもしれず、この恋は処方箋じゃなかった!という諦めが彼女たちの瞳に映っているようだ。