赤いセーターを着た少女が、お父さんに抱っこされながら不安げな顔をするシーンが胸に刺さる。その後、自分で花束を持って母親に渡す姿は、言葉にならない愛情表現。『この恋は処方箋じゃなかった!』というタイトル通り、薬では治せない心の病を家族の絆が癒していく過程が美しく描かれている。
黒いスーツを着た父親の、心配そうな表情と無力感が伝わってくる。道士の診察を見守るしかできない彼の立場が切ない。ネットショートアプリの作品は、こうした大人の事情と子供の純粋さの対比が上手い。『この恋は処方箋じゃなかった!』の中で、彼が娘を抱きしめる瞬間に、全ての不安が溶けるような温かさを感じた。
青と白の衣装に黒い帽子、髭を生やした道士のキャラクターデザインが秀逸。現代的な部屋に溶け込まないその存在感が、物語にファンタジー要素を加えている。脈を診る仕草や、家族への説明の仕方が本格的で、見ているこちらも真剣になってしまう。『この恋は処方箋じゃなかった!』の重要なキーパーソンとして機能している。
ベッドで眠っていた女性が、道士の治療後に目を覚ますシーンの演技力が素晴らしい。ぼんやりとした目から、状況が飲み込めていく過程が微細な表情で表現されている。ネットショートアプリで観るドラマは、こうした非言語コミュニケーションの密度が濃くて好き。『この恋は処方箋じゃなかった!』のタイトルが示すように、魔法のような治療だったのかもしれない。
茶色のカーディガンを着たお母さんが、ドアから入ってきて涙ぐむシーンがリアル。家族の誰かが病気になるときの、どうしようもない不安と祈るような気持ちが伝わってくる。『この恋は処方箋じゃなかった!』という物語の中で、彼女の感情が視聴者の共感を誘うアンカーになっている。短時間で見せる感情の起伏が見事。